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お手をどうぞ

銀座4丁目交差点の地上への出口は
古いこともあって狭い階段が多い。
A2、A3、A8、A9とか
ある日、和服をお召しのマダムが手すりにつかまり
ふうふう息を切らせながら階段を登っていらした。
杖はお持ちではなかったが、おそらく階段昇降は
膝か足がお辛いのではないかな、という感じ。
ああ、三越の脇のエレベーターを教えて差し上げたい!と思いつつ
でもこのマダム的にトレーニングの一環なのかもしれないし、と
一人頭の中でモヤモヤしていた。
ただ、周囲の人たちが上り側も下り側も
絶妙にタイミングを計りながら、このマダムの邪魔にならないように
うまくすれ違っていたところが印象的だった。

また別のある日。
やはりこの銀座4丁目交差点の地上へ出る狭い階段を
ようやく階段を自分で降りられるようになったであろう小さなお嬢さんが
片手でしっかり手すりにつかまって慎重に一段一段降りていた。
反対の手をとるお父様。
こちらも上りと下りがタイミングをはかりつつ通行。
流れによっては立ち止まって待つ人もいるのでお父様が

「すみません」

と謝るのだが、なんとも微笑ましい光景。
ようやく階段を降りられるようになったお嬢さんをエスコートするなんて
娘を持つ父親にとって最高のお仕事ではなかろうか。

きりりと和服をお召しになって、真剣に階段を登るマダム。
一段一段緊張しながら階段を下りる小さなお嬢さんとそのお父様。
そして、彼女たちを邪魔しないように行き交う人々。

なんてことのない光景なのだが
何だかいいなあと思った休日の街角の一コマだった。
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| 雑記 | 05:55 | TOP↑|

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